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『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』 ★★★★★

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あらすじ

かつて人類を襲った未曽有の大厄災"セカンドインパクト"。
これによって多くの人命と大地は失われ世界の気候は激変した…。
それから15年の時が経ち、復興を進める人類の前に突如として謎の生命体"使徒"が現れる。
彼等は例外なく日本の箱根に建造された迎撃要塞都市"第三新東京市"を目指していた。
時を同じくして、14歳の少年"碇シンジ"は"第三新東京市"の地下に建造された"特務機関ネルフ"の本部に呼び出される。
そこで待っていたのは、自分を捨てた父と"使徒"殲滅の要たる人型決戦兵器"ヱヴァンゲリヲン"だった…。

感想

言うまでも無く90年代に第三次アニメブームと社会現象を巻き起こした『新世紀エヴァンゲリオン』。
自分は『エヴァ』をリアルタイムで観て、旧劇場版も映画館まで足を運んだ。
自分にとって『エヴァ』は特別過ぎる作品であり、物事の考え方や価値観などあらゆる面で影響を受けた。
好きだからこそ、近年『エヴァ』メインスタッフが全く参加していない"モドキ"的でガイナックスの小遣い稼ぎ程度の作品群にはホトホト愛想が尽き「もうそっとしておいてあげてよ…」という思いが強かった。
もう庵野さんが作らなければ『エヴァ』ではないんだ!!。こう思っていたのは私だけでは無い筈!!。
だが願いが叶い。再び庵野さんが『エヴァ』を創ってくれた!!。
この『新劇場版』は紛れもなく本物の『エヴァンゲリオン』だった。


劇場公開時にも感想を書いたのだが、二回観ただけでは内容が曖昧だったので改めて書きたいと思います。

冒頭~サキエル殲滅
ここでは、やはり慌ただしい印象を持ってしまう。
これはTV版を見過ぎている所為もあるのだろうが、それでもシンジが初号機に乗るまでの展開が唐突過ぎだと感じた。
やはり所見の人も『序』を観る前にTV版を観て頂きたい。
別に所見で『序』を観ても良いのですが、冒頭は抜けているシーンを脳内保管して頂くとより面白いと思いますし、細かな描写の違いも楽しめます。

シャムシエル戦~シンジの家出
TV版より随分と短くなっているのだが不思議と慌ただしさが無い。
むしろTV版が長過ぎる気がしていたので、コンパクトでテンポが良くなったと思う。
シンジがミサトと完全に和解しないまま進むのも自然だった。

ラミエル出現~ヤシマ作戦立案
この辺りから、新作カットの割合が一気に増える。
ラミエルはTV版では機械的使徒であったが、今回は意志や知能があるかの様に姿を変え攻撃してくる。
破壊力も旧シリーズとは段違いで、あらゆる面でゴージャスになっていた。

ヤシマ作戦の準備段階もTV版では予算や時間の問題で淡泊な印象が強かったが、新劇場版では出し惜しみがない。
日本中を巻き込んだ大規模な作戦描写が展開され、同時にメインキャラクター以外にもこの世界には人々が生きている事を感じさせてくれる。

戸惑い続けるシンジをミサトがセントラルドグマリリスの元へと案内し「ネルフ職員も同じく命を掛けている」と語るシーン。
作戦直前のトウジとケンスケからの励ましのメッセージ。
日本中の人々が作戦の行方を見守る姿などが、後にミサトが「日本中のエネルキーと一緒に私達の願い。人類の未来。生き残った全ての生物の命。あなたに預けるわ。」と言うセリフが生きてくる。
感動的なクライマックスへの見事な布石である。

ヤシマ作戦発動~次回予告
発動したヤシマ作戦。日本の全てのエネルギーが一点に集まる描写で興奮は最高潮。
一斉に始まる撹乱攻撃とそれを圧倒的な力で退ける使徒との攻防は素晴らしいの一言。
そしてポジトロンライフルによる超長距離射撃とラミエル撃破までの流れでは間違いなくカタルシスを感じられます!!。

零号機からレイを救出するシンジ。
そして対面した2人の掛け合う"言葉"とエヴァ屈指の名シーンである"笑顔"。
ファンならもうここでお腹いっぱいです!!(笑)。

しかし出るんですよカヲルくん。
しかもEDの後にはTV版同様の次回予告。
ファンサービス旺盛過ぎ!!。
でも憎いよこんな期待煽ってさ(笑)。
嗚呼『破』は何時公開するんだー!!。


個人的には『エヴァ』であればそれだけで評価は満点以上であり、もはや冷静な気持ちで観れる作品では無い。
一般の特に初見の人がどう感じるかは全く想像出来ない訳で、これが万人に向けて面白いとは言えない。
だが少なくともつまらなくは無い。
そして旧世紀版『エヴァ』を知っていれば肯定派・否定派の人間問わず楽しめると思います。