旧いまここにあるもの

Yahoo!ブログ時代のアーカイブ。記事内のリンクが上手く機能しなかったり、タイトルが文字化けしたり、画像のアスペクト比が可笑しいのはダメダメな移行機能の所為。新ブログはこちら→https://imakokoniarumono.hatenablog.com/

『時をかける少女』(2006年) -★★★★★-

イメージ 1

スタッフ・キャスト

製作 2006年 日本
時間 100分
監督 細田守    
原作 筒井康隆  
脚本 奥寺佐渡子  
音楽 吉田潔  
声の出演
   仲里依紗紺野真琴)
   石田卓也間宮千昭)
   板倉光隆(津田功介)
   原沙知絵(芳山和子)
   谷村美月(藤谷果穂)
   垣内彩未(早川友梨)
   関戸優希紺野美雪

あらすじ

女子高生の真琴は男友達で親友の功介と千昭の3人で充実した学生生活を送っていた。
夏休み前のある日、真琴はある出来事を切っ掛けに時間移動出来る能力"タイムリープ"が使えるようになってしまう。
最初の内はこの力を自分の身に起こる些細で嫌な出来事を回避する為に使ってしまうのだが、やがてその何気ない行動が周りの人々の未来を少しずつ変えてしまっている事に気づく…。

予告


感想

初々しくて、苦々しい、でも最後は清々しい気持ちになれる素敵な青春映画です!!。
自分は原作・実写版ともに未見ですが、今作はアニメの表現・魅力を最大限に生かした作りだと感じました。

まず貞本さんのキャラクターデザインですが。
今回はあえてアニメ的な記号を廃し、線が少ない素朴でシンプルなデザインになっており設定だけ見た時は正直地味に見えた。
しかし話が進むに連れ、作品の世界を生き生きと動き回るキャラクター達がどんどん魅力的に見えて来る、これはこの作品に携わった全てのスタッフの情熱の証でしょう!!。

作画もか~なり力入ってます、基本的には細かい仕草など実写ばりの箇所もあれば。
あえてアニメ的なお約束(目が×になったり・観てる人(観客)に同意を求めたり)や、オーバーリアクションな箇所もある。
しかもその使い場所が上手くて、決してくどく無らない自然な演出です、すげ~よ細田監督!!。

今作はプロの声優さんをほとんど起用していない。
出演している役者の方々はお世辞にも上手いとは言えない、だが観ていて決して違和感や声が浮く事は無かった。
それは先も述べた素朴なキャラやこの映画のテーマなどが理由で、今作にプロの有名声優さんを使わなかったのはすごく正解だったと思う。
もし起用していたら、途中「あっ、あのアニメのキャラの声の人だ」などと思い、作品世界に入り込めずに興醒めだった筈だ。

とにかく主人公の真琴が魅力的。
男勝りな彼女の親友は男子の功介と千昭。
恋愛に発展しないと思われた3人の関係が"タイムリープ"によって変化が訪れる。
繰り返す時間の中で本当に大切な人を見つける真琴。
笑って・悩んで・怒って・泣いて。
歩いて・走って・飛んで・転ぶ。
見ていてとても気持ち良くて話が進むにつれてどんどん可愛く愛おしく思えて来ます。

これからストーリーと同じ夏になります、是非是非その前に見て青春気分に浸りましょう。
きっと風を切って全力で走り出したくなるはずです。