スタッフ&キャスト
原題: Bright
時間: 117分
監督: デヴィッド・エアー
音楽: デビッド・サーディ
出演: ウィル・スミス(ウォード)
ジョエル・エドガートン(ジャコビー)
ノオミ・ラパス(レイラ)
ルーシー・フライ(ディッカ)
エドガー・ラミレス(カンドメア)
あらすじ
はるか昔から人間と他種族が共存してきた世界。ロサンゼルスで警察官として働く人間ウォードとオークの相棒ジャコビーは、夜の巡回中に謎の少女と出会い、魔法の杖「マジック・ワンド」の存在を知ったことをきっかけに、地球の運命をも揺るがす巨大な事件に巻き込まれてしまう。種族間の衝突を乗り越え、正体不明の敵と戦いながら事件の全貌に迫るウォードたちだったが…。
予告映像
感想
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本日は『スーサイド・スクワッド』で失敗したデヴィッド・エアーが同作で組んだウィル・スミスと製作した『ブライト』を鑑賞。
物語は異種族が共存するif世界のロサンゼルスを舞台に人間とオークの警官コンビが反目し合いながら、失われた魔法の力を使い世界を支配しようとする一派の企みを阻止するというもの。
慣れない事をやって袋叩きに遭ったデヴィッド・エアーが『フェイク・シティ』や『エンド・オブ・ウォッチ』などお得意な警察物に回帰しつつ、それじゃつまらないのでファンタジー要素をぶっ込んだら、どっちの要素も中途半端になってしまった微妙な作品。
人種差別問題を劇中の種族差別で浮き彫りにしようとしたのは明白だが、そこに革新的なメッセージが込められている訳でもなく、そもそも長年異種族が共存する世界でありながら諸々の社会システムやカルチャー、建築様式などが現実のそれと大差ない事からして設定の取って付けた感が滲み出ている。
魔法の要素にしたって米国によくあるキーアイテムに端を発する物で、ぶっちゃけ世界観の作り込みは無駄に長いタイトルを付けたがる安いライトノベルといい勝負だ。
険悪なコンビが次第に固い友情で結ばれて行くというのもバディ物にはよくある話で斬新さは無く、軽口を叩くウィル・スミスが『バッドボーイズ』の再現なら、警官2人が巡回するシーンはそのまんま『エンド・オブ・ウォッチ』。
映画館で流さないので製作費的に限られた部分もあるのだろうが終盤に掛けての尻すぼみ感も致命的で、完全武装した相手に無双していた悪役三人衆が手負いの主人公2人にあっさり倒されたのは興醒めだった。
米国特有の自己犠牲万歳な展開とか、一人前として認められたから差別問題解決♪と言わんばかりのお気楽なラストなど、大人の鑑賞に堪える内容とは言い難く、それでいてデヴィッド・エアー印の血生臭い人体欠損描写もあって子供にも見せられない。
一体どこの誰に向けて作ったのか最後まで謎な作品でした。