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鷺巣詩郎 伊福部昭 「シン・ゴジラ 音楽集」 (キングレコード)

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ゲリラ豪雨をやり過ごしながら映画館とCDショップを駆けずり回って、ようやく「シン・ゴジラ音楽集」をGET。
サントラのレビューを読む人は十中八九、本編を観た方達だと思うのでネタバレ込みで書きますので、ご容赦ください。

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映画を観た人であれば曲目だけで、ご飯3杯はイケること間違いなしなこの音楽集。
ちなみに日本語副題と曲順は例によって庵野秀明総監督が担当し、基本的に本編で使われた通りに収録されています。

まさかのゴジラの足音~鳴き声入りの第一弾予告に使われたトラック1から「やられた!!」と思い、全6パターン用意されたエヴァでお馴染みの作戦BGM「EM20」は物語が進みチームワークが発揮されていくにつれテンポがリズミカルになっていくのが面白い。
初上陸時の不気味さを引き立てる「初ゴジ」から、らしい姿になって再上陸を果たした際に流れる「キンゴジ」~「メカゴジラの逆襲」と伊福部楽曲の使いどころも秀逸で、歴代シリーズで破壊されてきた先代たちの恨みを晴らすかのごとく、怒濤の活躍を見せる新幹線と在来線の姿に拍手喝采な「宇宙大戦争」でボルテージは最高潮!!。
しかも音源は最初期の録音バージョンときたもんだ!!。
極め付けは庵野さんが選曲したゴジラメドレーによるエンディングで、映画の内容ともどもその特撮愛を高らかに宣言する構成にただただ脱帽しました。

エヴァ&伊福部楽曲のインパクトが強すぎて新曲の印象がやや薄いという難点はあるものの、自衛隊の猛攻に乗せて流れるトラック11や、第二弾予告で使われ首都東京が炎に包まれる映画のハイライトに用いられたトラック13。
宇宙大戦争」からバトンタッチし決戦の行方を盛り上げるトラック20~21など、要所要所で確りと作品に花を添えてくれます。
庵野さんと鷺巣さんがタッグを組んだ作品はどれもサントラを聴くだけでその場面が脳裏に鮮明に蘇ってくるのですが、それだけ映像と音楽のシンクロ率が高いという事でしょうね。

ブックレットには鷺巣詩郎さんと早川優さんによる楽曲解説も掲載され、『シン・ゴジラ』の音響は「5.1サラウンド」ではなく「ステレオ」で作られ、伊福部楽曲も原曲を忠実に再現、ないしは原音のまま使われているという話が大変興味深かったです。