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コードギアス 亡国のアキト 最終章 「愛シキモノタチヘ」(2016年)

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最終章 「愛シキモノタチヘ」


■脚本 大野木寬 赤根和樹 ■絵コンテ 渡辺正樹 三宅和夫  大石康之 山下明彦 古橋一浩 宮尾佳和 田中孝行 赤根和樹■演 渡辺正樹 三宅和夫  山下明彦 間島崇寛 大石康之総作画監督 島村秀一 吉川真帆 嘉手苅睦■メカ総作画監督 前田清明
帝都ペンドラゴンへの攻撃と皇帝の殺害によって世界大戦を引き起こそうと目論むシン・ヒュウガ・シャイング。
幼少期のある出来事から人と世界に絶望し、愛する者たちをこの汚れ切った現世から救いたいという願いが「相手の死をもって救済する」という形の「ギアス」として発現、その力に魅入られ暴走を続けていた。

掛け替えのない仲間達との出会いによって世界の可能性を知った日向アキトは憎しみを捨て兄を救いたいと願う。
ヴァイスボルフ城にシンが率いるミカエル騎士団の精鋭部隊が迫る中、世界の命運を掛けた最後の戦いが幕を開ける。

不可解な延期や、全四章から全五章へのフォーマット変更など、紆余曲折あったコードギアス 亡国のアキト』も遂に完結。
最終章はヴァイスボルフ城での攻城戦を軸に、絶望に支配された兄と希望を見い出した弟の最後の戦いが描かれる。

初見では中盤のガンダム的なオカルト展開(ニュータイプ的な意味で)に面食らう事請け合いですが、そういった要素に惑わされず本質を捉える事が出来れば本作は実に普遍的な兄弟の物語である事が分かります。

とにかくこの最終章はアキトではなくシンが主人公。
そう思って観るのが正解で、実際彼のこれまでの歩みは「もう1人のルルーシュ」と言っても過言ではありません。
大切な人たちにはこの狂った世界で傷ついて欲しくない」という願いが愛する人だけを殺す事のできるギアス」として発現した悲劇。
矛盾しているように思えますが幼少期に父の凶行と母の言葉よって「死=自由・救済」という価値観が刷り込まれたシンであれば、そういう考えに至ったとしても不思議ではありません。

「この力はお前を孤独にする」
ギアス契約時の言葉を体現したシンが最後に愛してくれた者と共に愛する者に看取られて逝くシーンはとても印象的でした。

やや超展開な部分はありつつも、人々にギアスを与えた存在とその意図など本編でも描かれなかった部分に言及し、幽閉されているルルーシュとスザクの前にロロが現れ物語を『R2』に繋げるなどなかなか綺麗に纏まっていました。

ただルルーシュとスザクをこの物語に絡ませる必要があったかは今もって疑問で、だったらシンとジャン・ロウの馴れ初めなど他に描くべき部分があったように思います。
これも大人の事情なのかな?。