『ザ・レイド GOKUDO』(2013年) -★★★☆☆-

スタッフ&キャスト

原題： The Raid 2: Berandal

製作： 2013年インドネシア

時間： 146分

監督：ギャレス・エバンス

脚本：ギャレス・エバンス

音楽： ジョセフ・トラパニーズ

出演：オイコ・ウワイス(ラマ)

　　　 アリフィン・プトラ(ウチョ)

　　　 オカ・アンタラ(エカ)

　　　 ティオ・パクサデウォ(バンクン)

　　　 アレックス・アッバド

　　　 ジュリー・エステル(ハンマー・ガール)

　　　 松田龍平(ケンイチ)

　　　 遠藤憲一(ゴトウ)

　　　 北村一輝(リュウイチ)

　　　ヤヤン・ルヒアン(プラコソ)

上層部の命令を受け、潜入捜査官として生きることになった新人警官のラマは、名前を偽り、マフィアのボスの息子ウチョの信頼を得て組織の一員になる。

しかし、父親に反発するウチョが組織内で成り上ろうと企てた陰謀により、ラマは対立する日本人ヤクザとの抗争や果てしない戦いに巻き込まれていく…。

インドネシア発、世界を驚かせた激烈アクション映画『ザ・レイド』の続編『ザ・レイド2 ベランダル』を観る。

松田龍平、北村一輝、遠藤憲一ら日本人俳優が893役で出演している事から邦題は『ザ・レイド GOKUDO』となっているが、ぶっちゃけ全然活躍しません。

この内容で『GOKUDO』などと名付けた配給会社の感性が映画好きとして腹立たしい。

物語は前作の数時間後からスタート。

悪の巣窟である高層マンションから命からがら脱出したラマが、その才能を見込まれ街を牛耳る犯罪組織への潜入捜査を命じられるという筋立て。

一作目は低予算ゆえ密室劇に特化した展開でしたが、ヒットを受け予算がついたのかインドネシアの市街地を中心に大暴れ。

刑務所での乱闘に始まり、チンピラの根城、ナイトクラブ、通勤電車、カーチェイス中の車内、そしてラストの殴り込みとアクションシーンのバリエーションは格段にアップ。

と同時に『インファナル・アフェア』を彷彿とさせる潜入捜査官の苦悩、組織の人間との奇妙な友情、そして裏切り、とドラマ面も充実しています。

前作の主要キャラが呆気なく殺される衝撃の冒頭部から怒涛のクライマックスまで「そこまでやるか!!」というくらいのバイオレンスシーンが目白押し。

個性的な新キャラも魅力的で特に新興ギャング側の殺し屋3人、ナイフ使いのキラーマスター、金槌二刀流のハンマーガール、金属バットを振り回すベースボール・バットマンが良い味を出している。

ストイックさが薄れ良くも悪くも普通の映画っぽくなりましたが、任侠orギャング映画の王道を往く展開や前作を上回る格闘シーンは一見の価値あり。

日本映画を見て育ったと公言する監督は本作のラストシーンを踏まえた上で、続編を日本で撮りたいと話していましたが、実現したとしてラマと肉弾戦で渡り合えるアクション俳優っているかね?。

真面目な話、坂口拓さんくらいしか思い浮かばんのですが…（汗）。