旧いまここにあるもの

Yahoo!ブログ時代のアーカイブ。記事内のリンクが上手く機能しなかったり、タイトルが文字化けしたり、画像のアスペクト比が可笑しいのはダメダメな移行機能の所為。新ブログはこちら→https://imakokoniarumono.hatenablog.com/

『ももへの手紙』(2012年) -★★☆☆☆-

イメージ 1
製作: 2012年 日本
時間: 120分
監督: 沖浦啓之
脚本: 沖浦啓之
音楽: 窪田ミナ
声の出演:
    美山加恋(宮浦もも)
    優香(宮浦いく子)
    西田敏行(イワ)
    山寺宏一(カワ)
    チョー(マメ)
    坂口芳貞(大おじ(貞浜サチオ))
    谷育子(大おば(貞浜サエ))
    小川剛生(幸市)
    荒川大三郎(宮浦カズオ)
    山本道子(ヤスエ)
    中博史(陽太の父)

あらすじ

ケンカして和解しないまま父親が事故で他界した小学6年生の少女ももは、母のいく子とともに親戚の暮らす瀬戸内海の汐島に引っ越してくる。
父が残した「ももへ」とだけ記された書き掛けの手紙と共に空虚な日々を過ごしていたももの前に、突然イワ、カワ、マメという3人組の妖怪が現れる…。

予告映像

感想

プロダクションI.Gが誇る凄腕アニメーターにして、セルアニメ最後の傑作人狼 JIN-ROH』で監督デビューを果たした沖浦啓之さんの長編第二弾『ももへの手紙』が地上波放送されたので録画視聴。
 
グリム童話赤ずきん」を題材に男女の悲哀を描いた人狼 JIN-ROHから一転、本作は肉親を失った少女が不思議な出会いを経て家族との絆を取り戻すハートフルストーリーとなっています。
前者が押井守原作でI.Gテイスト全開だったのに対し、今回は原作・脚本も沖浦さんが手掛け全体的にジブリ的な作風に仕上がっているのが面白い。
映像はとにかく緻密で写実的な背景美術と実写と見紛うキャラクターの動きなど流石のクオリティ。
ただストーリー自体はさほど盛り上がらず、妖怪トリオも見た目が濃い~割に印象に残る活躍をしなかったのが惜しい。
クライマックスの展開にしても、ももの心情は察しますが「ああいった無謀な行動を大人が許しちゃダメだろう」と思わずにはいられない。
もしこれで、ももの身に何かあったら残された母親は今度こそ立ち直れないでしょうに…。
 
全体としては「良い話」なのですがところどころ「?」な部分も散見し、オチなどもぶっちゃけてしまえば「よくある話」。
ファミリームービーとしては良いかもしれませんが、それはそれで妖怪たちのビジュアルが若干エグイので小さなお子様は泣き出してしまうかも?。
 
キャスティングに関してはジブリに習ってかタレントを多数起用していますが、西田敏行さんは本業の山寺宏一さんやチョーさんと並んでも遜色ない演技で素晴らしかったです。