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『キングダム・オブ・ヘブン』(2005年) -★★★☆☆-

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スタッフ&キャスト

原題: Kingdom of Heaven
製作: 2005年 アメリ
時間: 145
出演: オーランド・ブルーム(バリアン・オブ・イベリン)
    エヴァ・グリーン(シビラ)
    ジェレミー・アイアンズ(ティベリアス)
    リーアム・ニーソン(ゴッドフリー・オブ・イベリン)
    エドワード・ノートン(エルサレム王ボードワン4世)
    デビッド・シューリス(ザ・ホスピタラー)
    ブレンダン・グリーソン(ルノー・ド・シャティヨン)
      マートン・ソーカス(ギー・ド・リュジニャン) 
      ハッサン・マスード(サラディン)

あらすじ

フランスの片田舎で鍛冶屋を営んでいたバリアンは、ある日現れたイベリンの領主ゴッドフリーから自分の隠し子である事を告げられ、エルサレムへ同行するよう誘いを受ける。
自殺した妻の「罪」を償うため十字軍に参加し騎士の身分を得たバリアンだったが、聖地への道中で父ゴッドフリーは負傷し命を落とし、バリアンの乗った船も地中海で沈没してしまう。
辛うじてエルサレムにたどり着いたバリアンだったが、異文化を積極的に受け入れる穏健派の王ボードゥアン4世の思いとは裏腹に過激派の度重なる蛮行によって大軍勢を率いるサラディンとの戦争へと突き進んでいく…。

予告映像

感想

『エイリアン』『ブレードランナー』『グラディエーター』の巨匠リドリー・スコット監督の『キングダム・オブ・ヘブン』がHDDに録画されていたので観賞。
正直な話、海外の歴史スペクタクル物には全く趣味がないので歴史考証など高度な批評はできませんのであしからず。
 
それを踏まえた上で観たこの映画。
非常にナイーブな宗教間の争いを描いているのだが、キリスト・イスラムどちらに傾倒する事もなく、むしろ戦争を始めるのは何時も無知で無能な一部の人間でそうした者達を批判しているように見える。
 
ボードゥアン4世とサラディン
どちらの王も政治家として優れた人物で2人の働きによって平和が維持されていたのに、差別主義者な戦争狂が王になった途端、均衡が崩れあれよあれよと破滅に向かう。
最終的にその尻拭いをさせられる主人公氏であるが、彼自身ここまで話が拗れる前に事態を収拾する最後の選択肢が提示されていたにも関わらず、大局を見ずその申し出を蹴っているので個人的にはその後の英雄的扱いには少し違和感を覚える。
 
「これは宗教戦争ではなく民を守る為の戦いだ」と宣言し、人命を優先し「聖地」を放棄し物語は幕を下ろす。
しかし今の世界はこの頃から何一つ進歩しておらず、むしろ優れた指導者が居なくなり戦争を望む過激派が台頭しているように思えてならない。
神様の教えを都合よく歪曲し、自分の利益の為に利用する。
そういった愚者と、その言葉に踊らされる道化がいる限り平和は未来永劫訪れる事はないのだろう。