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『猿の惑星:創世記』(2011年) -★★★☆☆-

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スタッフ&キャスト

原題: Rise of the Planet of the Apes
製作: 2011年 アメリ
時間: 106分
脚本: リック・ジャッファ アマンダ・シルバー
出演: ジェームズ・フランコ(ウィル・ロッドマン)
    フリーダ・ピント(キャロライン)
    ジョン・リスゴー(チャールズ・ロッドマン)
    ブライアン・コックス(ジョン・ランドン)
    トム・フェルトン(ドッジ)
    アンディ・サーキス(シーザー
)

あらすじ

  サンフランシスコにある製薬会社に務める科学者ウィル・ロッドマンは日夜アルツハイマーを治療する新薬の研究を行っていた。
チンパンジーへの投与により知性の驚異的な向上が見られた物の不慮の事故により実験は凍結。
ウィルは処分される筈だった幼いチンパンジーのシーザーを引き取り育て始める。
 
共に暮らす中で種族を超えた絆を深めていく2人。
だが、ある事件を切っ掛けにシーザーは霊長類保護センターに収容されてしまい、そこで人間の醜悪さを目の当たりにしてしまう…。

予告映像

感想

 映画史に残る衝撃のラストで知られる『猿の惑星』。
その始まりを描いた前日譚『猿の惑星:創世記』が続編の『猿の惑星:新世紀 公開に合わせて「金曜ロードSHOW」で放送されたので観る。
 
「どうして猿が高い知能を有するようになったか?」
という部分にフォーカスを当てつつ、人間の身勝手さを浮き彫りにしていく実に耳の痛い映画。
相手を先入観や固定概念でしか捉えず、平等だと言いながら知らず知らずの内に区別し、軽い気持ちで慰めの言葉を掛ける。
それが相手の目にどう映っているかを別の種族に置き換える事で解り易く風刺しているのが素晴らしい。
 
真面目な話、ウィルとシーザーどちらに感情移入するかと言われれば間違いなく後者であり、作品自体そういった作りをしているように感じる。
だってシーザー自身は同じ人間だと思っていたのに、「家族だ」と言いながら首輪とリードを付けられ、問題を起こしたら酷い施設に預けられ虐待され、そんな時にウィルは彼女と幸せそうにしていたら、そりゃぶち切れますわ(苦笑)。
 
まぁウィルに関しても気遣いが足りないだけで普通に善人なんですけどね。
アルツハイマーの父を1人で介護する相当の苦労人で日本人にとっては人事ではないかもしれません。
新薬の開発にしたってそういったバックボーンがあるので一概に彼が元凶と咎める事は出来ないでしょう。
 
終盤の決起シーンは迫力満点で、問答無用で射殺しようとする人間に対し、相手を殺さないよう配慮するシーザーの対比が皮肉。
僅かな希望を残し物語は幕を閉じますが、ウィルとシーザーの思いとは裏腹に世界が最終的にああなってしまうと思うと切ないですね。
 
現在公開中の『猿の惑星:新世紀』はスタッフ&キャストがほぼ入れ替わっていますが、評判がとても良いのでコチラも何れチェックしたいと思います。