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『96時間/リベンジ』(2012年) -★☆☆☆☆-

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スタッフ&キャスト

原題: TAKEN 2
製作: 2012年 アメリ
時間: 92分
監督: オリヴィエ・メガトン 
脚本: リュック・ベッソン 、ロバート・マーク・ケイメン
音楽: ナサニエル・メカリー 
出演: リーアム・ニーソン(ブライアン・ミルズ)
    マギー・グレイス(キム)
    ファムケ・ヤンセン(レノーア)
    ラデ・シェルベッジア(ムラド)
    リーランド・オーサー(サム)
    ジョン・グライス(ケイシー)
    D・B・スウィーニー(バーニー)
    ルーク・グライムス(ジェイミー)
    ケヴォルク・マリキャン(-)
    アラン・フィグラルツ(-)
    オリヴィエ・ラブルダン(ジャン=クロード)

あらすじ

イスタンブールで警護の仕事を終えた元CIA工作員のブライアン(リーアム・ニーソン)を訪ね、別れた妻レノーア(ファムケ・ヤンセン)と娘のキム(マギー・グレイス)がやってくる。
家族との絆を取り戻そうと街を案内して回るブライアンだったが、かつてキムを誘拐しブライアンに殺されたマフィアの家族や仲間たちが密かに復讐計画を進めていた…。

予告映像

感想

邦題を「誘拐された被害者が無事でいられるタイムリミット」である『96時間』にしてしまったが為に、96時間というワードそのものが登場しないにも関わらず同じタイトルを付ける破目になった『96時間/リベンジ』。
リベンジといっても主人公がリベンジするのではなく、前作で虫けらのように殺されたマフィアの家族が一族揃って復讐にやって来るっつうお話。
 
持ち前の"特殊技能"を使い娘が彼氏とイチャイチャしてる現場に押し掛ける最強の親バカ、リーアム・ニーソンが近年のハリウッド映画御用達だがデモの所為で2020年のオリンピック誘致は厳しくなってしまったイスタンブールでまたしても大暴れ。
 
力技一本勝負な潔い作りでスマッシュヒットを記録した前作から監督が『トランスポーター3 アンリミテッド』『コロンビアーナ』オリヴィエ・メガトンに変更されたのだが、良い部分がこれっぽっちも継承されてなくてガッカリした。
(というかアレの続編を作ろうという時点で無理がある)
 
何が酷いかと言えばとにかくカット割りの野暮ったさ。
格闘シーンやカーチェイスシーンでスピード感を演出したつもりのようだが、これが全体の流れなんて無視した継ぎ接ぎ状態で本当に観辛い。
こんな事なら引きの止め画で見せてくれた方がよっぽどマシだ。
 
ストーリーに関しては親父の方が誘拐され今度は娘が助けるという前半部分のプロットは面白い。
目隠しされたリーアム・ニーソンが周囲の音から自分が連れ去られたルートや監禁ポイントを割り出し、娘に指示を出して銃を届けさせる件なんかは『ボーン・アルティメイタム』のウォータールー駅を彷彿とさせワクワクした。
 
けど面白かったのはここまでで、そっから先は本当につまらない。
まず主人公がとんでもなくヤバい奴だと知ってる筈の誘拐犯たちが手錠を切るものがゴロゴロある牢屋に放り込んで入口に見張りを一人だけしか置かない不用心さで失笑。
これはもう「逃げて下さい」と言ってるようなもので、しかもろくにボディーチェックしないから小型の端末で簡単に外部に連絡されるなど馬鹿丸出し。
自由になったら最後あとはもう皆殺しにされるだけで、しかも敵がみんな雑魚で全くもって歯ごたえが無いというおまけ付き。
 
これまたザル警備の米国大使館にタクシーで突っ込んだり、現地警察と誘拐犯の癒着を匂わせながらそこを掘り下げなかったり、何がしたかったのかさっぱり分からない。
続編は駄作になるというお約束を絵に描いたような作品で、前作でメガホンをとったピエール・モレル監督がベッソンと共に二番煎じで作ったパリより愛をこめての方が圧倒的に面白かったです(;一_一)