旧いまここにあるもの

Yahoo!ブログ時代のアーカイブ。記事内のリンクが上手く機能しなかったり、タイトルが文字化けしたり、画像のアスペクト比が可笑しいのはダメダメな移行機能の所為。新ブログはこちら→https://imakokoniarumono.hatenablog.com/

『宇宙人王(ワン)さんとの遭遇』(2011年) -★☆☆☆☆-(ネタバレ含む)

イメージ 1

スタッフ&キャスト

原題: L'ARRIVO DI WANG/THE ARRIVAL OF WANG
製作: 2011年 イタリア
時間: 83分
監督: アントニオ・マネッティマルコ・マネッティ 
脚本: アントニオ・マネッティマルコ・マネッティ
音楽: ヴィオ 、アルド・デ・スカルツィ 
出演: エンニオ・ファンタスティキーニ(キュルティ)
    フランチェスカ・クティカ(ガイア)
    ジュリエット・エセイ・ジョセフ(アモニーケ)
    アントネット・モローニ(マックス)

あらすじ

 2時間で2,000ユーロという高給に釣られ、怪しげな通訳の仕事を引き受けた中国語の翻訳家のガイア(フランチェスカ・クティカ)。
国家機関で働くという謎めいた男キュルティ(エンニオ・ファンタスティキーニ)の案内で、彼女は通訳する相手のいる施設へと連れていかれるのだが、そこで待っていたのは人間ではなく、中国語を話し自らを王(ワン)と名乗る地球外生命体だった。
敵意を見せず常に礼儀正しい王(ワン)さんに対し、彼を地球侵略を目論む宇宙人だと決めつけ厳しい尋問を続けるキュルティの姿を目にしたガイアは王(ワン)さんを人権保護団体の下に連れて行こうとするのだが…。

予告映像

感想

映画会社の嘘PRには騙されない自信があったのだが、なんか予想と違った。
 
「地球で一番使われている言葉(中国語)を覚えました」
という馬鹿馬鹿しい設定から『宇宙人ポール』みたいに、もっとこうギャグというか、笑いを交えた社会風刺が炸裂するのかと思いきや、宇宙人の王さんに対する取り調べ(拷問込み)を目の当たりにした通訳の姉ちゃんがあまりに不憫なんで助けてあげたら、やっぱり王さんは侵略者だったという何の捻りもないオチで幕を閉じる。
 
これはアレか?。
ODAなど散々支援してやっても奴等は被害者面して結局恩義なんて感じていないという風刺か?。
 
スケール的には「世にも奇妙な物語」レベルなので過度な期待を抱く方が野暮なのだが、一見醜悪な姿をした宇宙人の王(ワン)さんが頭ごなしに責められる姿を淡々と見せ付け同情心を煽り、彼を助けようとする主人公の行動を正当化した上で最終的にその善意を否定する人間(この場合宇宙人?)不信になりかねない鬼畜展開がある意味凄い。
 
スリードを誘うという意味ではよく出来た構成なのだが、善人がバカを見る結末はやはり後味が悪く、いろいろな意味で裏切られた気分になる映画だった。