スタッフ&キャスト
原題: THE MAN FROM NOWHERE
製作: 2010年 韓国
時間: 119分
あらすじ
過去の出来事が原因で心に傷を抱え街の片隅で質屋を営む男テシクは、近所に住む孤独な少女ソミと出会いその話し相手をする日々に安らぎを感じ始めていた。
だが麻薬中毒者であるソミの母親が組織の薬を奪った為に殺害され、ソミ自身も臓器売買を目的に組織の人間に連れ去られてしまう。
失意の中テシクはソミを奪還すべく僅かな手掛かりを頼りに壮絶な戦いに身を投じて行く…。
予告映像
感想
全てを失い廃人と化した男に再び希望を与えた少女。
だがそんな安らぎすら奪われてしまう。
ここまでくれば後はもうどうなるかお判りでしょう。
韓国映画だけあって血がバンバン飛び散るバイオレンスフルなシーンが続くのだが、組織の人間がどいつもこいつも鬼畜生なんで嫌悪感よりむしろ爽快感を得る事が出来る。
映像面でも二階の窓ガラス突き破って地面に着地するまでをワンカットで見せたり、主人公の怒りが爆発するアジトでの11人抜きの大乱戦などハリウッド映画と比べても遜色ない完成度。
自責の念から常に喪服を思わせる黒いスーツを身に纏い滅多に口を開かない難役に挑んだ主演のウォンビンがとにかく良い。
(ただどっからどう見たって「おじさん」という風貌ではないww)
口数が少ない故に目で語る場面が多く、その演技力に脱帽です。
自分で散発したのにヘアスタイルがバッチリ決まっていたり、銃のスライドを動かし動作をチェックする姿などファンへのアピールが過ぎる気がしなくもないがその辺は御愛嬌。
そんなテシクとタイマンを張るベトナムから呼び寄せられた無口な用心棒もなかなか魅力的。
クズしかいない組織の人間と違い義理堅く、主人公に飛び道具抜きでさしの勝負を挑むなど武士道精神があり負けず劣らずカッコイイ。
『レオン』みたいなオッサンと幼女の組み合わせと悪党を完膚なきまでに叩き潰す物語が好きなんでチェックしたんですが予想通りツボでした。
凄惨なシーンが延々続いたのに最後はホロリとさせるなんてホントずるいなぁ~。やっぱテシクはソミに自分の子供の姿を重ねてたのかな?。
言及されてないけど生きていればこれ位の年齢になっていただろうし、そう考えて観るとラストシーンの感動がより一層引き立つと思います。