西暦2174年。
人類の繁栄によって滅亡の危機に瀕した地球から、宇宙の果てにある惑星タニスへ向け移民船エリジウムが旅立つ。
時が経ち、交代要員であるバウアーとベイト2名の飛行士が冷凍睡眠から目覚める。
だが周囲に人影は見当たらず何故か操舵室への隔壁もロックされていた。
冷凍睡眠の後遺症で一時的に記憶を失いながらも、状況を把握しようと船内の捜索を開始した2人は恐ろしい光景を目の当たりにする…。
予告映像
感想
『バイオハザードシリーズ』・『エイリアンVSプレデター』・『デスレース』で知られる、オタク監督ポール・W・S・アンダーソン製作によるSFサバイバル活劇。
全く期待せず事前情報も入れずに観賞したのが良かったのか最初から最後まで楽しむ事が出来ました。
長期のコールドスリープで記憶障害を起こした主人公というのも感情移入し易く、しかもこの設定が後々確り生きて来る。
冒頭シーンやパンドラム症といった伏線の張り方も緻密で、それを生かした最後のどんでん返しも驚きこそしませんが十分な説得力がありました。
有名所はデニス・クエイドくらいしか出ていませんが、無名ながらも良いメンバーを集めたと思う。
特にキャム・ギガンデットの狂いっぷりは最高だったし、登場するや否や即行で殺されたノーマン・リーダスの何時も通りの端役っぷりも泣けました(笑)。
極限状態に置かれた人々は生きる為に何を成すのか?。
狂気が渦巻く密室空間で果たして理性は保てるのか?。
的外れなキャッチコピーばかり用いられる昨今の映画業界で、
「生存とは罪なのか?」
という一文が見事に作品の本質を捉えた、小粒ながら見応えのある良作でした。