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『アマルフィ 女神の報酬』(2009) -☆☆☆☆☆-

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スタッフ&キャスト

制作 2009年 日本
時間 125分
原作 真保裕一
監督 西谷弘
脚本 クレジット不表示
音楽 菅野祐悟
出演 織田裕二(黒田康作)
    天海祐希(矢上紗江子)
    戸田恵梨香(安達香苗)
    佐藤浩市(藤井昌樹)
    大塚寧々(羽場良美)
    伊藤淳史(谷木幹安)
    小野寺昭(菊原清文)
    平田満(川越亘)
    佐野史郎(西野道生)
    大森絢音(矢上まどか)
    中井貴一(片岡博嗣)
    サラ・ブライトマン(本人)
    福山雅治(佐伯章悟)

あらすじ

クリスマス目前のローマ。亡き夫との思い出が詰まった街で、矢上紗江子(天海祐希)は最愛の娘の失踪(しっそう)するという最悪の事態に見舞われてしまう。身代金目的の誘拐か、それともテロか……? 犯人グループが警察の包囲網をかく乱し、捜査が一向に進展しない中、事件の真相に迫る外交官・黒田(織田裕二)は、ある事実に行き当たる。

予告映像


感想

評判良いので期待したのですが、やっぱり「○○テレビ開局○周年記念作品」と付く典型的な映画でした。

イタリアの有名な観光名所をバックに展開する映像は一見豪華だが、肝心のストーリーがとにかく残念な出来なのである。
前半は誘拐事件の真相に迫るサスペンス物としてまぁまぁ楽しめるのだが、いざ事件の概要が明らかになると物語はどんどん破綻し、動機の割に切迫感と悲壮感を感じさせない犯人達の行動の数々には説得力など一切無かった。

彼等は何故イタリアで、それも警備が厳しい外交の場で犯行に及ぶ必要があったのか?。
あそこまで手の込んだ事をしておいて何故成功確率が低い方法に掛けたのか?。
そして死を覚悟し計画を実行した筈なのに何故呆気なく説得されてしまうのか?。
…私は終始犯人達がふざけている様にしか見えなかった。

わざわざ関係ない娘を誘拐したりセキュリティをハッキングせずとも、標的の自宅にでも押し入って脅すなりして撮影した動画をYouTubeにアップすればそれで済む話ではないのか?。
それ以前に不正が事実であるならば証拠を揃えマスコミにリークすればそれで済むだろうに…。

同じ様にTV局が制作し犯人が似た様な動機でテロを起こした『相棒 -劇場版- 絶体絶命!42.195km 東京ビッグシティマラソンと比べるとそのクオリティは月とスッポン。
この手のサスペンス物は犯人の動機や明かされた真実が醍醐味の1つだったりするのだが、本作はその部分が欠落しており実に薄っぺらい。

良く言えば解り易く。悪く言えば観客を馬鹿にしているとしか思えないバレバレの伏線や演出の所為で真犯人などは登場した途端に解ってしまう始末…。

これがテレビのスペシャルドラマであれば「よくやった」と言えるが、劇場公開作品である以上海外の観光名所をバックにしているだけでは満足出来ない。
曲がりなりにも映画と言うからには其処にきちんとしたストーリーや演出があって然るべきだろう…。