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『テイルズ オブ ヴェスペリア ~The First Strike~』 ★★★★★

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製作 2009年 日本
時間 110分
原作 バンダイナムコゲームス
監督 亀井幹太
脚本 吉田玲子
音楽 千住明
声の出演
  鳥海浩輔ユーリ・ローウェル
  宮野真守フレン・シーフォ
  谷口節(ナイレン・フェドロック)
  小笠原亜里沙(ヒスカ・アイヒープ)
  水沢史絵ジャスティル・アイヒープ)
  中原麻衣エステリーゼ・ジス・ヒュラッセイン)
  森永理科(リタ・モルディオ)
  竹本英史(レイヴン)

あらすじ

正義感が強く自由奔放な「ユーリ・ローウェル」と規律を遵守する生真面目な「フレン・シーフォ」。
幼い頃からケンカの絶えない幼馴染みの2人は成長すると共に帝国の騎士団に入団する。
2人の最初の配属先となったのは帝都から遠く離れた辺境の地シゾンタニア。
この街に駐屯している騎士団の部隊に編入したユーリとフレンは大雑把だが頼れる隊長ナイレンの下、先輩騎士であるヒスカとシャスティルの姉妹や軍用犬のランバート等と共に街を守る任務に就く。

だが一見平和に思えたシゾンタニア近隣の森で季節外れの紅葉や凶暴化したモンスターが人々を襲う事件が多発。
住人の安全を危惧したナイレンは森の奥深くの湖の中にそびえ立つ古城にこの事態を誘発した何かしらの原因があると考え調査に乗り出すのだが…。

予告映像


感想

最初は劇場アニメ化と聞いて時間的な問題やダメになった前例の数々に不安一杯でしたが、蓋を開けてみれば独立した映画作品としても十二分に楽しめる素晴らしい出来に仕上がっていました。

ゲーム本編の前日譚に当たる時間軸で展開する本作では、ユーリとフレンの2人に其々の道を進む切っ掛けを与えた"ある事件"が描かれます。
とにかく脚本・演出ともに秀逸で、無駄な物など一切無いと思えるほどに110分間ギッチリ内容が詰まっています。
アニメーションとしてのクオリティはゲームのOPやイベントシーンも手掛けているプロダクションI.G.が担当していますので非常に高く、キャラクターの日常芝居やアクションの作画は神がかっています。
原作をプレイした事のある人にとってはゲーム本編では見る事が出来ないアイテムの細かなギミックまで丁寧に描かれていて感動すると思います。

本作で登場するゲストキャラクターでありキーパーソンでもある騎士団部隊長ナイレン・フェドロックがとにかく魅力的な人物で、国益しか考えず嫌味な人間が多い帝国騎士団の中でナイレンは市民の生活を第一に考えて行動します。
歯に衣着せない性格で市民・部下共に人望も厚く、悩む人々の話も親身に聞きアドバイスを送る理想の上司。
本当に素晴らしい人物でこの人が居たからこそ映画版が成立したと言っても過言ではありません!!。
後のユーリとフレンにも多大な影響を与えている訳ですしゲームを含めた『ヴェスペリア』全体にとっても重要なキャラクターになったと思います。

上記のナイレン隊長以外にもヒスカ&シャスティルの双子の姉妹やラビードの父親であるランバート
ゾンタニアの人々やギルドの面々も個性的で良い味を出しており、登場時間こそ短いですが彼等の生活や心情も丁寧に描かれて物語に深みを与えています。
劇場作品では時間の制約からメインキャラクター以外の人物像は薄っぺらくなってしまう事が多々あるのですが本作は全く問題無しです。
こいった描写の積み重ねが、ラストシーンをより印象的かつ感動出来る物にしていたと思います。

私自身PS3版から『ヴェスペリア』を始めたくちで、まだまだ序盤の方までしか進めていない初心者ですが、だからこそ「ファン」と「初心者」両方の感覚で映画を観る事が出来ました。
そんな私が断言します。
この作品はゲームをプレイしたorしているファンの方は勿論の事、前日譚なので予備知識の無い初心者の方でもアクションや人間ドラマなど見所満載で独立したファンタジー映画として十分に楽しめます!!。

私はBlu-ray購入決定です!!(笑)。