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『ジョン・ウィック』(2014年) -★★★★☆-

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スタッフ&キャスト

原題: John Wick
製作: 2014年 アメリ
時間: 103分
脚本 デレク・コルスタッド
音楽: タイラー・ベイツ ジョエル・J・リチャード
    ミカエル・ニクビスト(ヴィゴ・タラソフ)
    アルフィー・アレン(ヨセフ・タラソフ)
    ウィレム・デフォー(マーカス)
    ディーン・ウィンタース(アヴィ)
    エイドリアン・パリッキ(ミス・パーキンス)
    オメル・バルネア(グレゴリー)
    トビー・レナード・ムーア(ヴィクター)
    ダニエル・バーンハード(キリル)
    ブリジット・モイナハン(ヘレン

あらすじ

 
愛する女性ヘレンとの出会いをきっかけに裏社会から足を洗った殺し屋のジョン・ウィック
しかし、ヘレンは病に倒れ帰らぬ人となってしまいジョンは悲しみに暮れる。
そんなジョンのもとに、ヘレンが生前に用意していたデイジーという名の一匹の子犬が届けられる。
亡き妻の思いが託されたデイジーとの生活で再び心に平穏を取り戻していくジョンだったが、ある日、ジョンの所有する車を狙って家に押し入ったロシアンマフィアがデイジーを殺してしまう。
生きる希望だったデイジーまで奪われ全てを失ったジョンは裏社会に舞い戻り単身復讐を開始する…。

予告映像

感想

浮き沈みの激しいハリウッドで作品選びに失敗し、すっかり落ち目になっていたキアヌ・リーブス久々のヒット作『ジョン・ウィック』を観る。
マトリックス』シリーズなどでスタントコーディネーターを務めたチャド・スタエルスキの初監督作品にして、往年の復讐映画の文法に銃と体術を融合させた新たなアクションを持ち込んだ意欲作。

物語は堅気になった最強の殺し屋が亡き妻から送られた愛犬の命と手塩にかけた愛車をロシアンマフィアのドラ息子に奪われ復讐のため立ち上がるというもの。
沈黙の艦隊』から『96時間』、近々では『イコライザー』と同じ「ケンカを売った相手が悪かった系アクション映画」。

例によってあらすじ以上の事は起こらないのだが、閉所・近距離での戦闘を目的とした射撃スタイル「CAR System」と柔道・柔術といった武術を融合した新たなアクション「ガン・フー」はそれを補って余りある魅力を放っている。
百聞は一見に如かず、その目で確認してもらうのが一番なのだが「体術で相手を組み伏せ脳天に一発撃ち込んで仕留める」という動作が斬新で、クライマックスには車を使った「カー・フー」(笑)まで飛び出して楽しませてくれる。

『ボーンシリーズ』のヒット以降、細かなカット割りを用いるアクション映画が増えたが、本作は長回しを多用し柔術のしなやかな動きをしっかり見せている点も素晴らしい。
この辺りは流石スタント出身の監督といったところか?。

画面映えするアクションは「ジョン・ウー」や「ガン=カタ」の系譜と言われているが、胴体に2発→頭に1発撃ち込む射撃や、倒れた状態からの的確なヘッドショットなど、私はむしろ『コラテラル』でトム・クルーズが見せたリアルな戦闘術を思い出した。

殺し屋社会の掟だとか、彼ら御用達のホテルに死体処理業者、支払いに用いる特殊な通貨などマンガ的な要素も満載で中二心もくすぐる秀作アクションムービー。
本作のスマッシュヒットを受け続編の製作が決定し、すでに撮影も始まっているそうだが果たして一作目の衝撃を超える事が出来るのか?。
今から完成が楽しみだ。