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『プリデスティネーション』(2014年) -★★★★☆-

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スタッフ&キャスト

原題: Predestination
製作: 2014年 オーストラリア
時間: 97分
    サラ・スヌーク(ジョン)
    ノア・テイラー(ロバートソン)
    クリストファー・カービイ(マイルズ) 
    クリス・ソマーズ(ミラー)

あらすじ

1970年、ニューヨーク。
とあるバーを訪れた青年ジョン(セーラ・スヌーク)は、バーテンダーイーサン・ホーク)に自身が歩んできた半生を語る。
それは女性として生まれ孤児院で育ち、付き合っていた流れ者との子を宿すも彼に去られ、さらに赤ん坊を何者かに誘拐されたという壮絶なものだった。
その話を聞き同情したバーテンダーは自分が未来からやって来た時空警察のエージェントだと打ち明け、彼に復讐の機会を与えるのだが…。

予告映像

感想

ロバート・A・ハインラインの短編小説『輪廻の蛇』をマイケル&ピーター・スピエリッグ監督×イーサン・ホーク『デイブレイカー』コンビが映像化した『プリデスティネーション』を観る。

物語はイーサン・ホーク演じる時空捜査官が「フィズル・ボマー(不完全な爆弾魔)」と呼ばれる犯罪者を追う中で、訳ありの過去を持つ物書きと出会い運命が加速し始めるというもの。

全てのシーンとセリフが伏線になっていると言っても過言ではない緻密な構成によって「鶏が先か、卵が先か」を地で行く衝撃の結末に向かって突き進む圧巻の97分。
散りばめられたピースが一つに繋がっていく終盤の展開には快感すら覚えます。

円熟味を増したイーサン・ホークの演技や、サラ・スヌークの七変化も見所の一つで、登場人物のファッションや楽器ケース型のタイムマシンといった洒落たガジェット、発明された瞬間を基点に過去と未来に53年分しか飛べない設定、印象的なジャンプシーンなど映像面もすこぶるクール。

ハリウッド的な派手さはないものの昔ながらの職人技が詰まった伝統工芸品のような作品で短いながら見応えがありました。
これから本作を鑑賞しようと思っている人は極力予備知識を仕入れず、話を理解し易い日本語吹き替え版で観る事を強くお薦めします。